
複数のメーカーから同様の製品が発売されています。
正方形箱体のファンの3方向あるいは4方向にダクト接続口が付いています。何れも100φです。
空気の出口は1箇所でその他は吸込み口です。その位置関係が異なる製品を品揃えしています。
出口にはチャッキBOXを持つ製品が多く、外壁のベントキャップへダクトにて繋がる事を期待しています。
このメーカーの期待に応えるには、幸運が重なることが必要となります。その幸運とは、
@品揃えの中から、トイレ・浴室等の位置関係に適した製品が現場に持ち込まれること。
A出口が外壁を向いて製品が取り付けられること。
Bトイレ・浴室等からのダクトが、ミスなくす吸込み口に取り付けられること。
マンションでは、住戸毎に線対称のプランとなる場合が多く、@ABのハードルを全て超えることは、祈るしかありません。
ダクト工は、特別な資格は必要なく、近くにある接続口へダクトを繋ぐ事に躊躇しません。
確認検査員等はその道のプロですから、換気機能上の重大な瑕疵を見逃すわけは無いと思われがちですが、100人中95人程度は見逃していると思われます。
こうして24時間迷惑換気システムが相当の頻度で出現します。
もっとも惨めなパターンは、トイレの空気と外気を吸って、浴室へ送気するシステムです。
この場合、トイレの臭気と浴室の蒸気が居室へ充満し、カビと悪臭にまみれた住宅となります。
住宅としての目的を達することができ無いばかりか、健康上の危険性をも秘めたパンチ力を持つ製品です。
いろいろな方から相談を受けたり、現地で眼にすると、技術者としては凹みます。
この忌まわしき事態を避けるためには、
@設計時には住戸タイプ毎に吸込み口パターンを指定した機器型式を指定する
A施工図の入念なチェック
B施工後の検査の仕方改善
が必要となるでしょう。
高気密住宅になればなるほど被害が拡大します。
現在、結露や黴、トイレ臭に悩まされている方は、くれぐれもご注意下さい。
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